『小学一年生』は無くならないのか? 編集長から皆さまへ

『小学一年生』表紙

『小学二年生』が今年度の2・3月合併号で休刊することになってしまいました。すでにニュース等でお聞きの方も多いと思います。

今年『小学一年生』を読んでくださっていて、さらに気に入ってくださっていて、来年はひきつづき『小学二年生』を読もうか…と考えてくださっていた、我々にとっていちばんありがたい読者のみなさん。そんな方々には本当に心苦しい限りです。

こちらから提示する、読んでほしい本をひとつ無くすことは残念でしかありません。

しかし、小学館が子どもの本を作らなくなるわけではありません。すでに多くの方にご好評をいただいている、『図鑑NEO』をはじめとする図鑑シリーズ、ドラえもんなどの学習漫画シリーズ、さらに『コロコロコミック』などの漫画も含め、さまざまな子ども向けの本があります。

そして、これらはすべて、もともと学年誌から生まれたものです。上位学年の学年誌はすでに無いですが、これらの中に、学年誌のDNAは脈々と生き続けています。

さて、「『小学一年生』も無くなるんじゃないか」というご心配の声もいただきますが、『小学一年生』は無くなりません。

なぜか? 『小学一年生』は、特別なのでしょうか? ほかの小学生とは違うのでしょうか? いちばん最初の学年だから? ぴっかぴかだから?

少し学術的な話をさせていただくと、小学1年生=6歳児というのは、発達心理学的には、「幼児期」から移行して「児童期」がスタートする時期です。

すべてが自分中心で親と自分も未分化だった幼児期から変わって、この時期は、世界を自分と分化して認識し、ものごとを抽象化でき、さまざまなことを関連づけて考えられるようになっていきます。世界中に教育方法はあまたありますが、就学年齢はほぼ5歳〜7歳の6歳前後で共通している理由はそれです。

そして文字を読めるようになり、自分で選択して本を読むようになる時期でもあります。

とはいえ、6歳児。まだまだ児童期のほんの入り口です。

なにしろ1年生のスタート時はひらがなすら学習する前ですから。個人差はあれど、文章を読むのもまだたどたどしい。語彙も少ないから意味を読み取れない場合もある。経験と知識が少ないからイメージできるものごとの範囲も限られています。

そんな1年生には、やはり1年生に向けた、1年生が読みやすい専用の本があったほうがいい。それで、本を読む楽しさを知って、本を通して知らなかったことを知る気持ち良さを感じてほしい。

この時期にその快感を味わった子は、その後も本好きになっていくと思います。

『小学一年生』は、そのための雑誌でありたいと思っています。本好き人間にとっての「マイ・ファースト・マガジン」。

ここからはじまって、そのあとは、世の中にたくさんの本が刊行されていますから、どんどん本を読む子になってほしいと思います。

その中で選択していただけるような本を作り続けていくのが、私たちの仕事です。既存の本に加えて、さらに楽しんでいただけるようなさまざまな新しい試みもしてまいります。

『小学一年生』はこれからも、本を読むことの楽しさを伝える雑誌であり続けます。ひきつづき応援していただけるとたいへん嬉しいです。

文責/『小学一年生』編集長 渡辺朗典

2016年10月7日

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