「ハローキティ」デザイナー山口裕子さん 『小学一年生』を買ってほしかったのに…

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▲ハローキティ担当デザイナー 山口裕子さん(右)と『小学一年生』モデル・井口瑚子ちゃん

『小学一年生』2017年8月号では、「ハローキティ」や「シナモロール」など大ヒットキャラクターを生み出している株式会社サンリオの本社を取材して、「みんな大好き キャラクターづくり」という記事をお届けしています。

今年で誕生43年を迎えるハローキティは、海外でも大人気のキャラクター。そのデザインを1980年から手がけているのが、デザイナーの山口裕子さんです。ハローキティを進化させつつ、世界でも有名な人気キャラクターに育てあげた人と言われています。

そんな山口さんに、子どものころの思い出やハローキティとキャラクターにまつわるお話をうかがいました。

■『小学一年生』を買ってほしかった子ども時代

ーー山口さんが子どもだったころ、お母さまに「『小学一年生』の雑誌を買ってきて」と頼んだことがあるそうですね。それは、なぜ『小学一年生』だったのでしょうか?

昔の話ですね(笑)。自分自身が小学1年生だったから、ほかの小学1年生がどんなことをしているのか、すごく興味があったんです。ましてや私は東京の子どもじゃなかったので、都会の子どもたちがどういうことをしているのかも知りたくて。テレビで見る芸能人など、ものすごく都会に憧れていたんです。

だから、そういう情報を得られるのは雑誌だと思って、自分と同じ年齢の子が読む『小学一年生』を読みたかったんです。そうしたら、母親が『りぼん』(少女まんが誌)を買ってきちゃって、これじゃないんだけど……と(笑)。

『小学一年生』とは違う内容でしたが、それはそれで付録がとても魅力的でハマりましたね。そのころはファンシー雑貨というものが世になかったので、付録が今で言うキャラクター商品に匹敵するものでした。

ーー結局、『小学一年生』は買ってもらえたのでしょうか…? 

『小学一年生』はとうとう買ってきてもらえなかったんです(笑)。

でも、それをきっかけに、まんがが大好きになってしまったので、今につながっているのかもしれませんね。

■男の子に混じって遊んだ子ども時代

ーー小学生の頃から絵をよく描いていたのでしょうか?

じつは小学生のころ、絵を描くのはあまり好きではありませんでした。スポーツ好きで、走るのが速くて、リレーの選手に必ずなるほどでした。男の子とばかりヒーローごっこなどをして遊ぶ毎日で、男の子が好きな雑誌やまんがを読んで影響を受けました。

中学生になってからは『巨人の星』の星飛雄馬に憧れて憧れて……。「とにかく甲子園だ!」と(笑)。ちょうど父親が高知商業高校のブラスバンド部の顧問をしていたので、小学生のころから甲子園には一緒に応援に行っていたんです。

星飛雄馬の登場でそれに拍車がかかって、中学では絶対ブラスバンド部に入ると決めていました。そうしたら高校のブラスバンド部と一緒に応援に行っても「自分で太鼓を叩ける!」なんて思っていました。

とにかく仲間と一緒に何かをすることが好きで、気がつけば男の子のなかにひとり、ということが多かったです。戦隊もののなかに1人いる女の子、そんなつもりでいましたね。

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■男女ともに好きになってほしいキャラクター

ーーキティちゃんには男性ファンも多いですけれど、そういうファンの気持ちもわかるわけですね。

キティちゃんのなかにも男の子が好きな要素を盛り込みたいと思って、イチゴマンというキティちゃんがヒーローに変身する話を作ったりしています。幼少時代から変わらず好きなヒーローものの要素を盛り込みたいと思っているからです。

年齢も性別も関係なく、赤ちゃんのころからキティちゃんを好きになってもらいたいですね。子どもがしゃべり始める前から「まだ『ママ』って言わないのに『キティちゃん』って言ったんです」と喜ぶママが多いんですが、それはママが「キティちゃん、キティちゃん」ってよく言ってるからだと思うんです(笑)。

仮面ライダーの脚本家さんに会っても同等に話ができるんですよ。そういう知識もあり、それがキャラクター作りにも生きているなあと思うんです。

もし、絵が好きで絵ばっかりを描いていた子ども時代を送っていたなら、そうはならなかったでしょうね。

■絵の才能を見出してくれた先生

ーーいつごろから絵を描くようになったのですか?

絵を描くのは好きではなかったけれど、中学2年生のとき美術の先生に「将来何になりたいの?」と聞かれました。「全然考えてないです。親にピアノをやれと言われています……」と答えたら、「きみはデザインに向いていると思う」と言われたんです。

ちょうどレタリングの授業があったんです。描き終えたら外に遊びに行っていいと言われたので、早く外に行きたくてサーッと描いたんです。明朝体とゴシック体の文字を描き分けるというものでしたが、すごく簡単に思えました。

しかし、「そう簡単に描けるものではない」と、先生が才能を見出してくれたんですね。

そのころはデザイナーといえばファッションデザイナーくらいしか知られていなかったので、「デザインって何のことだろう?」と思いました。でも先生は、そのときはっきり「将来グラフィックデザイナーという仕事が出てくるよ」と確信していたようでした。

才能というのは、なかなか自分で見つけることはできません。いろいろな人にほめられ、伝えられることでどんどん成長していくものだし、そういう人の存在も必要だと思うんです。

後編「キャラクター作りを仕事にする方法」は近日公開です。

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撮影/大橋賢 文/村重真紀

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